借り上げ社宅の初期費用は誰が負担する?会計処理の方法を紹介

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借り上げ社宅の初期費用は誰が負担する?
会計処理の方法を紹介

はじめに

社宅制度の導入を検討している社宅管理業務担当者のなかには、初期費用を誰が負担するのか疑問を抱いている人もいることでしょう。

社宅制度を導入することには、従業員の住居費用の負担を軽減させて福利厚生の充実を図ることで、新規雇用を拡大させる効果があります。しかし、従業員が初期費用の多くを負担することになった場合には、住居費用の負担をそこまで軽減できないので、意味がありません。

この記事では、借り上げ社宅の初期費用にはどのようなものがあるか、誰が負担するのかなどを解説します。

借り上げ社宅の初期費用とは?

借り上げ社宅の初期費用とは?

借り上げ社宅を導入する際は、家賃以外にも多くの費用がかかるため、どのくらいの初期費用がかかるのかを把握しておくことが大切です。
借り上げ社宅の初期費用には、以下のようなものが挙げられます。

  • 敷金
  • 礼金
  • 前家賃
  • 仲介手数料
  • 火災保険料
  • 保証料
  • 鍵の交換費用
  • 引越し費用

各初期費用について見ていきましょう。

敷金

敷金とは、契約が終了して部屋を退去することになった後に行われる、部屋の修繕(原状回復)にかかる費用を補うための金銭です。家賃1ヶ月分が目安とされており、原状回復費用を引いて残った場合には、差額が返還されます。

礼金

礼金とは、部屋を提供してくれる大家さんに対して、感謝の意味を込めて支払われる金銭です。家賃1ヶ月分が目安とされていますが、敷金とは性質の異なる金銭であるため、退去時に返還されません。

前家賃

前家賃とは、入居する月の家賃を補うための金銭です。3月に契約して4月から居住する場合、4月分の家賃を前家賃として支払います。家賃1ヶ月分が目安とされていますが、月初めではなく月の途中から入居するようなケースでは、日割り家賃を納める必要があります。

仲介手数料

仲介手数料とは、物件探しをサポートして契約を仲介した不動産会社に対して支払う報酬です。仲介手数料の上限は、家賃1ヶ月分と宅地建物取引業法に定められています。上限の範囲内であれば不動産会社が自由に設定できるため、家賃0.5ヶ月分~1ヶ月分が目安となります。

火災保険料

火災保険料とは、火災や水漏れといった万が一のトラブルに備えるためのお金です。契約期間は賃貸借契約の期間に合わせて2年に設定されていることが多く、2年分の保険料をまとめて支払うのが一般的です。単身なのか、ファミリーなのかなどによって異なりますが、1万5,000円~2万円が目安となります。

保証料

保証料とは、家賃保証会社に対して支払うお金です。賃貸借契約を締結する際、万が一家賃を滞納した場合に備えて連帯保証人をつけます。しかし、すべての人が連帯保証人をつけられるわけではありません。家賃保証会社は保証料を受け取る代わりに連帯保証人になってくれます。
家賃0.5ヶ月分~1ヶ月分が目安となりますが、連帯保証人を確保できる場合には、保証料が不要な不動産会社と連帯保証人と家賃保証会社の利用の両方を必要とする不動産会社に分かれるので、確認しておきましょう。

鍵の交換費用

契約を解除して部屋を退去する際は鍵を返却しますが、前入居者が黙って合鍵を作っていた場合は、前入居者が自由に入ることができてしまうので危険です。
そのため、入居が決まった場合は、上記のようなトラブルを回避するために鍵を交換する必要があり、1万円~2万円程度の費用がかかります。使用されている鍵の種類によって金額が異なるので、不動産会社に確認しましょう。

引越し費用

引越し費用は荷物の量や移動距離、引越し時期によって大きく異なります。特に、引越しの繁忙期の3~4月は料金が2倍程度になったり、予約が取りにくくなったりするので注意が必要です。単身者で3~10万円、ファミリーで8~30万円と差が大きいため、依頼する際は複数社で見積もりを取りましょう。

借り上げ社宅の初期費用は従業員と会社どちらが負担する?

借り上げ社宅の初期費用は従業員と会社どちらが負担する?

初期費用は物件規模や地域、引越し時期などによって大きく異なりますが、最低でも家賃4ヶ月分~5ヶ月分と大きな支出であることに変わりはありません。

借り上げ社宅の場合は、賃貸借契約を締結するのは会社と大家さんなので、敷金や礼金などは企業が負担するのが一般的です。また、福利厚生という観点から、基本的には引越し費用も会社が負担します。

しかし、法的に企業が負担しなくてはならないと決まっているわけではありません。社宅管理規定に従業員が負担すると定めることもできます。

社宅管理規定でどちらが負担するのか決めておく

社宅を利用している従業員が正しく物件を利用していなかった場合は、大家さんから退去時の原状回復費用を通常と比べて多く請求される可能性があります。

それらもすべて会社が負担する場合は会社の負担が大きくなるため、従業員の故意・過失によって生じた修繕やハウスクリーニングなどにかかった費用は従業員負担にすると、社宅管理規定に定めておきます。そうすれば、従業員がルールを順守するようになり、公平性も高まるでしょう。

また、社宅の賃料を経費に計上したい場合、社宅管理規定を制定する際に賃料相当額の50%以上を従業員から受け取らなくてはなりません。

社宅管理規定の作り方は別の記事で紹介していますので、詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
>>社宅管理規定を作成する7つのポイント!無料の雛形も公開!

借り上げ社宅の初期費用は経費にできる?勘定科目と記載の仕方

借り上げ社宅の初期費用は経費にできる?勘定科目と記載の仕方

借り上げ社宅の初期費用は、余程の個人的なものを除き、引越し費用も含めて経費に計上できます。

しかし、経費として計上する場合には、項目や金額によって勘定科目や記載の仕方が異なるため、違いを事前に把握しておくことが大切です。

主な初期費用の勘定科目と記載の仕方について、見ていきましょう。

礼金の勘定科目

礼金を経費として計上する際は、礼金の金額が20万円未満の場合、20万円以上かつ契約期間5年未満の場合、20万円以上かつ契約期間5年以上の場合によって以下のように勘定科目と記載の仕方が異なります。

礼金が20万円未満の場合

礼金が20万円未満の場合には、礼金を地代家賃(費用)として勘定科目に記帳します。例えば、礼金5万円を賃貸借契約の際に支払った場合の仕訳は、以下のようになります。

勘定科目 借方 貸方
地代家賃 50,000円
現金 50,000円

借方には地代家賃として5万円、貸方には現金として5万円をそれぞれ計上します。

礼金が20万円以上かつ契約期間5年未満の場合

礼金が20万円以上かつ契約期間5年未満の場合、礼金を長期前払費用(資産)として勘定科目に記帳します。例えば、4年契約で礼金20万円を賃貸借契約の際に支払った場合の仕訳は、以下のようになります。

勘定科目 借方 貸方
長期前払費用 200,000円
現金 200,000円

借方には長期前払費用として20万円、貸方には現金として20万円をそれぞれ計上します。また、償却時(期末)に、長期前払費用の20万円を4年で割った5万円を支払手数料として償却します。

勘定科目 借方 貸方
支払手数料 50,000円
長期前払費用 50,000円

借方には支払手数料として5万円、貸方には長期前払費用として5万円をそれぞれ計上します。

礼金が20万円以上かつ契約期間5年以上の場合

礼金が20万円以上かつ契約期間5年以上の場合、礼金を長期前払費用(資産)として勘定科目に記帳します。例えば、6年契約で礼金20万円を賃貸借契約の際に支払った場合の仕訳は、以下のようになります。

勘定科目 借方 貸方
長期前払費用 200,000円
現金 200,000円

借方には長期前払費用として20万円、貸方には現金として20万円をそれぞれ計上します。

ここまでは、礼金が20万円以上かつ契約期間5年未満の場合と同じですが、償却時(期末)に長期前払費用の20万円を5年で割った4万円を支払手数料として償却します。年数通りではなく、5年以上の場合には5年で計算するので注意してください。

勘定科目 借方 貸方
支払手数料 40,000円
長期前払費用 40,000円

借方には支払手数料として4万円、貸方には長期前払費用として4万円をそれぞれ計上します。

敷金の勘定科目

敷金は退去時に返還されるお金なので、支払時には費用としてではなく、以下のように敷金(資産)もしくは差入証拠金(資産)などの資産として勘定科目に記載します。
例えば、敷金5万円を賃貸借契約の際に支払った場合の仕訳は、以下のようになります。

勘定科目 借方 貸方
敷金 50,000円
現金 50,000円

借方には敷金として5万円、貸方には現金として5万円をそれぞれ計上します。

返還されなかった敷金がある場合

退去時に敷金が全額戻ってきた場合は、以下のように逆仕訳を行います。

勘定科目 借方 貸方
現金 50,000円
敷金 50,000円

借方には現金として5万円、貸方には敷金として5万円をそれぞれ計上します。原状回復費用として仮に3万円が差し引かれた場合は、記載の仕方が以下のように異なります。

勘定科目 借方 貸方
現金 20,000円
修繕費 30,000円
敷金 50,000円

借方には敷金として2万円、修繕費として3万円、貸方には敷金として5万円をそれぞれ計上します。

原状回復費用が従業員負担の場合

従業員の故意・過失が原因で原状回復費用が発生すると、従業員が原状回復費用を負担することがあります。仮に、3万円を従業員が負担した場合の退去時の仕訳は、以下のようになります。

勘定科目 借方 貸方
現金 20,000円
立替金 30,000円
敷金 50,000円

借方には現金として2万円、立替金として3万円、貸方には敷金として5万円をそれぞれ計上します。
従業員に立替金を請求する際の仕訳は、以下のようになります。

勘定科目 借方 貸方
現金 30,000円
立替金 30,000円

借方には現金として3万円、貸方には立替金として3万円をそれぞれ計上します。

前家賃の勘定科目

前家賃として仮に5万円を支払った場合には、支払時にはまだサービスの提供を受けていません。そのため、契約時には前払費用(資産)として、サービスの提供後に地代家賃(費用)として以下のように記載します。

勘定科目 借方 貸方
前払費用 50,000円
預金 50,000円

借方には前払費用として5万円、貸方には預金として5万円をそれぞれ計上します。

勘定科目 借方 貸方
地代家賃 50,000円
前払費用 50,000円

借方には地代家賃として5万円、貸方には前払費用として5万円をそれぞれ計上します。

仲介手数料の勘定科目

不動産会社に10万円の仲介手数料支払った場合は、以下のように支払手数料(費用)として記載します。

勘定科目 借方 貸方
支払手数料 100,000円
現金 100,000円

借方には支払手数用として10万円、貸方には現金として10万円をそれぞれ計上します。

火災保険料の勘定科目

火災保険料として仮に2万円を支払った場合は、以下のように損害保険料(費用)として記載します。

勘定科目 借方 貸方
損害保険料 20,000円
現金 20,000円

借方には損害保険料として2万円、貸方には現金として2万円をそれぞれ計上します。

保証料の勘定科目

保証料として仮に5万円を支払った場合は、以下のように支払手数料(費用)として記載します。

勘定科目 借方 貸方
支払手数料 50,000円
預金 50,000円

借方には支払手数料として5万円、貸方には預金として5万円をそれぞれ計上します。

鍵の交換費用の勘定科目

鍵の交換費用として仮に2万円を支払った場合、以下のように修繕費(費用)として記載します。

勘定科目 借方 貸方
修繕費 20,000円
現金 20,000円

借方には修繕費として2万円、貸方には現金として2万円をそれぞれ計上します。

引越し費用の勘定科目

引越し費用として仮に10万円を支払った場合、以下のように福利厚生費(費用)として記載します。

勘定科目 借方 貸方
福利厚生費 100,000円
現金 100,000円

借方には福利厚生費として10万円、貸方には現金として10万円をそれぞれ計上します。あくまでも、上記の勘定科目は一例です。退去時の費用を誰が払うかで勘定科目に記載する内容も変わります。

退去時の費用などについては別記事で詳しく紹介しているので、そちらを参照ください。
>>社宅の退去費用は会社と入居者どちらが支払う?相場もご紹介!

借り上げ社宅の初期費用は消費税の課税対象?

借り上げ社宅の初期費用は消費税の課税対象?

借り上げ社宅の初期費用のなかには、消費税が課税されるものと課税されないものがあります。違いをまとめると以下の通りです。

初期費用項目 消費税
敷金 非課税
礼金 非課税
前家賃 非課税
仲介手数料 課税
火災保険料 非課税
保証料 非課税
鍵の交換費用 課税
引越し費用 課税

居住用として借りる場合は、ほとんどの初期費用の消費税が非課税となる一方、事業の対価として支払う報酬は基本的に課税されます。

社宅管理業務を大幅軽減できる「社宅代行サービス」

社宅管理業務を大幅軽減できる「社宅代行サービス」

社宅制度を導入することで、従業員の福利厚生が充実することによる雇用確保や離職率の低下、家賃を従業員の給与から天引きすることによる社会保険料の負担軽減、社宅の経費計上による節税効果が期待できるといった恩恵が受けられます。

しかし、実際に社宅制度を導入する場合は、社宅管理業務を手掛ける部署を新規に立ち上げなくてはならず、コスト面の問題や従業員の負担増といった問題に直面する恐れがあります。

そこでおすすめするのが、「社宅代行サービス」の利用です。

社宅代行サービスとは

社宅代行サービスとは、物件探し、契約の締結・更新・解約、問い合わせ対応といった社宅管理業務を、会社に代わって行ってくれるサービスです。

社宅管理業務を委託するので報酬を支払う必要はありますが、外部に委託することで新規に部署を立ち上げるコストを軽減できたり、従業員の負担を軽減できたりすることから、委託する企業が増えています。

LIXILリアルティの社宅代行サービス

LIXILリアルティの社宅代行サービスとは、「企業のニーズから生まれ」、「企業のニーズに合った」「企業側視点の」社宅代行サービスです。

物件探しや契約関連業務のほか、家賃送金、支払調書のデータ整理、社宅業務に付随する社宅管理業務のほぼすべてを外部委託することで、会社の負担を最大80%軽減できます。

社宅業務を一元化し、「高品質」で「豊富」なサービスを「リーズナブル」に提供しているので、ぜひ一度ご検討ください。

まとめ

社宅制度を導入する際、毎月の家賃だけではなく、敷金や礼金などの初期費用も発生します。これらの費用は会社負担または従業員負担のどちらを選択することも可能です。

しかし、統一性を保っておかなければ後でトラブルに発展する恐れがあるため、どちらが負担するのかを社宅管理規定にきちんと明記しておきましょう。

また、退去時の費用を誰が負担するのかによって勘定科目が変わるといったように、社宅管理業務は複雑です。社宅管理代行サービスを利用して、社宅管理業務に携わる従業員の手間と負担を軽減したり、トラブルを未然に防いだりするのも選択肢の1つと言えるでしょう。

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