賃貸住宅の法人契約で審査に落ちる!?審査を通すポイントとは

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賃貸住宅の法人契約で審査に落ちる!?
審査を通すポイントとは

はじめに

社宅制度の導入を検討している社宅業務担当者のなかには、賃貸契約が審査落ちしないか不安に感じている人もいるのではないでしょうか。審査を通すためにも入居審査で重視されるポイントを事前に確認しておくことが大切です。

この記事では、賃貸契約の法人契約とは何なのか、入居審査に落ちやすい会社の特徴や契約時に必要なもの、審査基準などについて解説します。

賃貸住宅の法人契約とは

賃貸住宅の法人契約とは

賃貸住宅の法人契約とは、個人名義ではなく会社名義で賃貸住宅の賃貸借契約を締結することです。個人名義では契約者がそのまま賃貸住宅に居住しますが、法人名義では契約者が会社で、その会社の従業員が賃貸住宅に居住することになります。そのため、入居者と契約者が同一にはなりません。

フリーランスや個人事業主が事務所や自宅兼事務所として借りる、会社の社宅とするといった場合に、賃貸住宅を法人名義で借ります。

賃貸住宅の法人契約で入居審査に落ちることはある

賃貸住宅の法人契約で入居審査に落ちることはある

個人契約の場合には、申込者本人の収入(勤務先や勤続年数なども含む)や借入状況などに焦点を当てながら、家賃を問題なく支払えるだけの収入があるかどうかを審査します。

一方、法人契約の場合は、会社の事業年数や従業員数、資本金、売上などに焦点を当て、審査を行います。個人では審査に通らないような場合でも、法人契約であれば会社が後ろ盾になってくれているという社会的信頼度の高さから、入居審査に通りやすいのが一般的です。

しかし、法人契約だからといって、必ず入居審査に通るわけではありません。規模が小さい、売上が少ない、事業年数が短いなどの企業は、社会的信頼度が低く、倒産リスクが高いという理由から、審査に落ちる可能性があるので注意してください。

賃貸住宅の法人契約で入居審査に落ちやすい会社の特徴

賃貸住宅の法人契約で入居審査に落ちやすい会社の特徴

個人契約では、本人の属性(年齢、職業、勤務先、勤続年数、雇用形態、年収など)が審査に影響する一方で、法人契約では会社の属性(事業年数、従業員数、資本金、売上など)が審査に影響します。
そのため、以下のようなケースでは、属性が良くないと判断されて審査に落ちる可能性があります。

  • 設立したばかり
  • 資金力が乏しい
  • 帝国データバンクの評点が低い
  • 担当者の人柄や事業内容

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

設立したばかり

設立から日が浅い企業の場合には、法人審査に落ちる可能性があります。その理由は、設立から日が浅いと、経営状況が安定しておらず、家賃を滞納するリスクが高いと判断されるためです。

事業年数が何年であれば審査に通るのか、具体的な年数を知りたいという人もいるかもしれませんが、審査基準は公開されていないため、一概に何年と言い切ることはできません。

事業年数が1年未満だと、まだ定着していないと判断される可能性が高いため、最低でも1年以上になってから審査を受けると良いでしょう。

資金力が乏しい

資金力の有無は家賃滞納のリスクに直結する問題なので、審査ではかなり重視される項目です。法人の資金力は、会社謄本や決算報告書などを確認して判断します。

黒字経営が続く企業は、資金力があると判断されるため、審査には有利です。一方、赤字経営の続く企業は、資金力が乏しく滞納リスクが高いと判断されるため、審査落ちする可能性が高いと言えます。

また、資金力がある場合でも、会社の資金力と希望する家賃のバランスが悪い場合には、入居審査に落ちる可能性があるので注意が必要です。

帝国データバンクの評点が低い

帝国データバンクとは、企業信用調査の依頼を受けて企業を訪問し、企業概要や資金現況などを調査している企業です。インターネットで一般公開されている情報とは異なり、調査員によって調査された100近い項目がカテゴリーごとに分類されており、精度の高い情報を入手できます。

帝国データバンクは調査を実施した企業の評点を公表しており、審査通過のラインを評点〇点以上としている不動産会社もいるので、覚えておきましょう。

担当者の人柄や事業内容

会社側の社宅管理業務担当者の人柄があまり良くない場合にも、審査に影響します。その理由は、そのような会社の従業員が利用するということは、ルールを守らずに他の入居者に迷惑をかける可能性が高いと判断されるためです。

また、事業内容が不明瞭な場合も、審査落ちの可能性があります。その理由は、社宅としての利用ではなく、何らかの不正行為を行うための集会所といった形で住宅を使用されるリスクがあるためです。

審査落ちの原因は、家賃滞納のリスクが高いかどうかだけではありません。ルールを守れるかどうかも重要な判断材料なので、不動産会社や大家さんが安心して貸し出せる相手かどうかがポイントと言えるでしょう。

賃貸の法人契約で必要なもの

賃貸の法人契約で必要なもの

賃貸の法人契約の場合には、個人契約とは異なる書類が必要になります。速やかに契約を締結するためにも、事前にどのような書類が必要になるのかを把握しておくことが大切です。

法人契約で必要になる書類は、企業側で用意するもの、入居者が用意するもの、連帯保証人が用意するものの大きく3つに分かれます。

それぞれの必要なものを詳しく解説していきます。

企業側で用意するもの

企業側で用意する主なものには、以下の4つが挙げられます。

・会社概要
・会社謄本
・会社印鑑証明書
・2期分の決算報告書

会社概要とは、会社がどのような業務を行っているのかをまとめた、パンフレットのような資料です。最近では、会社ホームページで代用するケースも見られます。会社謄本とは、会社の登記簿謄本のことで、資本金や本社住所、代表者名などのさまざまな情報を確認できる書類です。法務局で手に入ります。

会社印鑑証明書とは、契約の際に使用する印鑑が正式な印鑑であることを証明するための書類です。こちらも法務局で手に入ります。決算報告書は、法人に支払い能力があるかどうかを確認するための書類です。貸借対照表、損益計算書、販売費及び一般管理費の計算内訳などが求められます。

入居者が用意するもの

法人契約の場合に入居者が用意するものには、以下の2つが挙げられます。

・身分証
・住民票

身分証は、本人確認のために使用されます。例えば、運転免許証や健康保険証、マイナンバーカード、パスポート、外国籍の場合には在留カードや特別永住者証明書などが挙げられます。

住民票は、他の入居者との関係性を確認することが可能です。市町村の役所窓口かマイナンバーカードを使えばコンビニでも取得できます。

連帯保証人が用意するもの

法人契約の場合に連帯保証人が用意するものには、以下の2つが挙げられます。

・実印
・印鑑証明書

連帯保証人は、入居者または会社の代表者になるのが一般的です。入居者または会社の代表者の実印と、実印が本物であることを証明するための印鑑証明書の提示が求められます。個人の印鑑証明書は、市町村の役所窓口かマイナンバーカードを使えばコンビニでも取得できます。

契約時に何が必要なのかは、不動産会社によって異なります。用意に時間がかかるものもあるため、事前にしっかり確認しておきましょう。

賃貸住宅の法人契約における審査基準とは

賃貸住宅の法人契約における審査基準とは

個人契約では、本人の属性(年齢、職業、勤務先、勤続年数、雇用形態、年収など)を確認するに対し、法人契約では会社の属性(事業年数、従業員数、資本金、売上など)を確認します。主に確認されるのは、以下の項目です。

・事業年数
・従業員数
・資本金
・売上
・利益
・業態
・社会保険加入の有無
・ホームページの有無

資本金が多く、売上や利益が大きい場合、家賃滞納リスクが低いと考えられるため、審査に有利です。また、事業年数が長いと社会的信頼が高く、継続的に需要の期待できる業態だとさらに信頼度が高まります。

社会保険に加入し、ホームページを作成しているなど、信頼が高いほど審査に有利と言えるでしょう。

法人契約の入居審査でも保証会社は利用するのか?

法人契約の入居審査でも保証会社は利用するのか?

家賃保証会社は、万が一入居者が家賃滞納した場合に家賃を立て替えてくれるため、個人契約では用いられるケースが増えています。では、法人契約でも家賃保証会社を利用しなくてはならないのでしょうか。法人契約と家賃保証会社の実態について、詳しく解説していきます。

大手企業の場合ほとんど保証会社は利用しない

家賃保証会社を利用する場合は、保証料を支払わなくてはなりません。保証料は利用者側の負担となるため、企業にとっては支出となります。そのため、上場企業や資本金が1億円を超えるような大手企業では、ほぼ保証会社を利用していません。「家賃保証会社を利用する物件の契約は不可」と、入居条件に盛り込んでいるケースも多いのが実態です。

法人契約の入居審査で連帯保証人は必要?

法人契約の入居審査で連帯保証人は必要?

2020年の民法改正で連帯保証人に関する規定が変更になりましたが、新民法では連帯保証人や家賃保証会社が義務化されたというわけではありません。法人契約では、依然として会社の規模やオーナーの意向によって変わるケースが多いため、物件ごとに条件を確認する必要があります。

大手企業の場合連帯保証人もほとんど必要ない

上場企業または資本金が1億円を超えるような大手企業の場合、連帯保証人が必要になることは基本的にありません。その理由は、潤沢な資金があるため、家賃滞納リスクがほとんどないからです。しかし、オーナーのなかには、大手企業であっても万が一に備えて連帯保証人や家賃保証会社の利用を求めるケースもあります。

法人契約の入居審査期間は1週間程度

法人契約の入居審査期間は1週間程度

法人契約の入居審査にかかる期間は、個人契約と比べて審査項目が多いことから、1週間程度と少し長めになると言われています。申込書や必要書類に不備があったり、不動産会社の定休日をまたいだりした場合も入居審査に時間がかかるため、入居希望日から逆算して余裕をもって部屋探しをスタートさせましょう。

法人契約で入居審査を通すポイント

法人契約で入居審査を通すポイント

法人契約で入居審査を通すポイントには、以下の4つが挙げられます。

  • 法人契約に理解のあるオーナーや管理会社を探す
  • 今期はある程度の所得を取り、決算内容や申告内容は節税し過ぎない
  • 決算書類や収入証明書などの提出を求められない物件を選ぶ
  • 保証人が必要な場合は安定した職に就いている人を立てる

各ポイントについて詳しく見ていきましょう。

法人契約に理解のあるオーナーや管理会社を探す

法人契約は会社がバックアップしてくれるため、個人契約と比べると家賃滞納のリスクは低いです。そのため、法人契約に理解のあるオーナーや管理会社も一定数います。そのようなオーナーや管理会社の賃貸物件を見つければ、審査が有利に進むでしょう。

今期はある程度の所得を取り、決算内容や申告内容は節税し過ぎない

節税の観点から経費を多く計上するといったように、決算内容や申告内容を調整しようとしている人もいるかもしれません。
しかし、決算内容や申告内容が悪いと審査に影響が及ぶので、注意が必要です。審査を有利に進めるためにも、審査を受ける年だけは節税を意識し過ぎない決算内容、申告内容になるように心がけましょう。

決算書類や収入証明書などの提出を求められない物件を選ぶ

決算書類や収入証明書などの提出を求めない物件は、法人契約に理解があり、積極的に入居者を募集しており融通の利きやすい物件です。色々と相談すれば応じてくれる可能性も高いため、入居者に借りやすい条件を提示してくれている賃貸物件を選ぶのも選択肢の1つと言えるでしょう。

保証人が必要な場合は安定した職に就いている人を立てる

法人契約は基本的に保証人が不要ですが、保証人を求められた場合には安定した職に就いている人を立てれば審査に通る可能性が高まります。例えば、上司や会社の代表などです。どうしても保証人になってくれる人がいない場合には、家賃保証会社の利用を検討しましょう。

社宅代行サービスで社宅管理業務を軽減

社宅代行サービスで社宅管理業務を軽減

社宅制度を導入する場合は、法人契約をはじめ、社宅導入時から導入後までのさまざまな業務の負担が生じます。不備があった場合は、大きなトラブルに発展する恐れがあるので注意が必要です。

社宅代行サービスを利用すれば、社宅管理の専門家が社宅管理業務を代行してくれるため、業務負担を大幅に軽減できます。

LIXILリアルティの社宅代行サービスは、社宅業務を一元化して、高品質で豊富なサービスを提供することによって、社宅管理業務を最大80%削減、社宅業務のコストダウンを図ることが可能です。
社宅導入時からしっかりサポートしてくれるので、外部委託を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

社宅の場合は、賃貸契約は利用者ではなく会社とオーナーが契約するため、法人契約となります。個人契約と比較すると、法人契約は社会的信頼度が高いため、審査に有利と考えている人も多いかもしれません。

しかし、審査に通ることが必ず保証されているというわけではありません。法人契約であっても審査に落ちる可能性があるため、審査基準や審査に通るポイントを事前に押さえてから審査に臨むことが大切です。

社宅管理業務はこのような法人契約をはじめ、多くの業務を手掛けているので負担が大きい部署と言えます。トラブルの回避、従業員の負担軽減、無駄なコスト削減をしたい場合は、社宅代行サービスを利用するのも選択肢の1つと言えるでしょう。

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