社宅の家賃相場をご紹介!節税のポイントは国税庁の非課税枠

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社宅の家賃相場をご紹介!
節税のポイントは国税庁の非課税枠

はじめに

アパートやマンションといった集合住宅や戸建て住宅を、企業が従業員に提供する「社宅制度」。従業員にとっては住居費用の負担を軽減できるため、魅力的な福利厚生の1つといえます。

しかし、社宅制度を新しく導入しようと考えている企業の担当者のなかには、家賃設定をどのくらいにすべきかわからずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

この記事では、社宅の家賃相場といった、社宅制度の導入時に必要な情報について紹介していきます。

社宅の家賃相場

社宅の家賃相場

社宅制度を導入する場合、会社側が住居費用の一部を負担することになります。
企業の設定した会社側の負担額が少なければ、従業員の住居費用の負担があまり軽減されないため、福利厚生としての魅力に欠けてしまいます。

また、国税庁が定めている非課税枠に収めれば、給与として課税されないなどのメリットがあるため、家賃を自由に設定すれば良いというものではありません。

では、どのくらいの家賃設定が適正なのか、社宅の相場を詳しく見ていきましょう。

周辺の賃料の半額以下が社宅家賃の目安

従業員が負担する家賃には、一定の水準が設けられていると考えている人もいると思います。しかし、家賃に水準は設けられていません。会社が社宅規定を作成して、その内容に従って負担する家賃を設定することになっているため、家賃設定は会社によって異なります。

また、会社負担を大きくすることで、福利厚生が充実し、従業員確保につながると考えている人もいると思います。しかし、会社負担を大きくした場合は、本来の月額賃料との差額分が収入として見なされることで、所得税・住民税の課税対象となる可能性もあるので、注意が必要です。

福利厚生としての魅力を高めたり、国税庁の定めている非課税枠に収めたりするため、周辺の家賃相場の半額以下に設定されていることが多い傾向です。一般的には、周辺の家賃相場の2~5割程度の範囲で設定されていることがほとんどです。

社宅家賃は社宅管理規定で設定

社宅制度を導入する際は、事前準備が大切です。ルールを明確に定めていなかった場合、トラブルが発生する原因になるため、まずは会社ごとの社宅のルールを明確にした「社宅管理規定」を作成します。

社宅管理規定とは、入居者の条件、手続きの方法、賃料の支払い、物件の条件といった社宅に関するルールを定めた規定のことです。

例えば、入居者条件として独身者のみを入居対象とする、自宅からの通勤が困難な従業員のみを対象とする、賃料の支払い方法として月額賃料の〇%負担とする、給与から控除するなどがルールとして挙げられます。トラブル防止や入居手続きをスムーズに行うためにも、社宅管理規定を作成しましょう。

社宅の家賃は国税庁の非課税枠に収める

社宅の家賃は国税庁の非課税枠に収める

従業員に社宅や寮などを貸与する場合、従業員から1ヶ月あたりに一定額以上の家賃を受け取っている場合は給与として課税されません。この一定額の家賃を、「賃料相当額」といいます。

賃料相当額は、以下3つの計算式の合計額です。

① (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
② 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/(3.3平方メートル))
③ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

仮に、賃料相当額が2万円の場合に無償で社宅を提供すると、2万円が給与として課税されます。また、5,000円を家賃として受け取ると、差額の1万5,000円が給与として課税されます。一方、1万2,000円を家賃として受け取ると、差額の8,000円は給与として課税されません。

詳しい計算方法については別の記事でご紹介しています。
>>役員及び従業員に社宅などを貸した際の賃料相当額の計算方法

社宅制度導入のメリット

社宅制度導入のメリット

社宅制度による恩恵を受けられるのは、従業員だけではありません。社宅制度を導入することによる会社側のメリットには、以下の3つが挙げられます。

  • 社宅費用は経費申告できる
  • 社会保険料の負担が上がらない
  • 資産価値が上がる

それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

社宅費用は経費申告できる

1つ目のメリットは、社宅にかかった費用を福利厚生費として経費申告できる点です。
家賃の補助(住宅手当)ではなく、社宅を提供して家賃の一部を企業が負担する形式の場合は、負担した家賃を会社の経費として計上できます。ただし、経費として計上するには、従業員名義ではなく、法人名義で社宅を契約する必要があります。

また、従業員から一定以上の賃料を徴収しなければ、社宅の家賃が給与と見なされてしまうことで経費として計上できない可能性があるので、注意が必要です。社宅制度を導入してうまく経費計上できれば、企業にとって節税対策につながるでしょう。

社会保険料の負担が上がらない

2つ目のメリットは、社会保険料の負担が上がらないという点です。
社宅制度の場合は、従業員は会社が契約している住居に住み、家賃の一部を会社が負担してくれます。家賃の一部を負担してくれることで住居費用を抑えられますが、自由に住居を選択できるわけではありません。

家賃の一部を住宅手当で補うという形式であれば自由に住居を選択できるため、住宅手当とどちらを導入するか悩んでいる人も多いと思います。

しかし、住宅手当を選択すると、給与に住宅手当が上乗せされることによって、社会保険料の負担が大きくなります。社会保険料は従業員と会社で折半となるため、従業員にとっても会社にとっても費用負担が大きくなるので、注意が必要です。

一方、社宅制度の場合、従業員の家賃負担は給与からの天引きとなるので、社会保険料の負担は上がりません。特に、従業員にとっては所得額が減ることによる節税効果も期待できるでしょう。

資産価値が上がる

3つ目のメリットは、資産価値が上がるという点です。
会社が所有する物件を社員に貸し出す社有社宅の場合、所有している社宅は資産として扱われます。そのため、稼働率の高い投資用不動産としての価値が認められれば、金融機関から社宅を担保にした資金調達を行いやすくなります。

融資条件が優遇されることでコスト削減の恩恵を受けられるといったように、財務上のメリットが大きい点もメリットです。

しかし、資産価値を高めるためには、定期的にメンテナンスを行うことが大切です。老朽化が原因で稼働率が低下し、資産価値が下がってしまっては意味がありません。必要に応じてメンテナンスやリフォームを実施しましょう。

社宅のメリットについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
>>借り上げ社宅はメリットがたくさん!導入のメリット・デメリット

社宅の自社管理と委託管理、経費削減になるのは?

社宅の自社管理と委託管理、経費削減になるのは?

社宅管理の業務は、継続的なものではありません。従業員の入れ替わりが生じやすい4月と9月に集中するのが一般的です。そのため、従業員を繁忙期に合わせて雇用したり、他の部署が掛け持ちして対応したりすることになります。

上記のように、社宅管理を自社で行う自社管理の場合には、何かと経費がかかってしまいます。しかし、外部に管理を委託する委託管理と比べてどちらが経費を削減できるのか、気になっている人も多いことでしょう。

ここからは、自社管理と委託管理の違いについて、詳しく解説していきます。

自社管理の場合

自社管理の場合は、社宅に関する業務をすべて社内で行うため、管理の効率化を図ることが可能です。しかし、少子化によって人口が減少しているため、従業員を確保することは容易ではありません。

また、新規に社宅管理の部署を立ち上げるにあたり、新規に雇用を増やした場合は多額の費用がかかります。他の部署が繁忙期のみ掛け持ちするという選択肢もありますが、基本的にはおすすめしません。その理由は、社宅管理は専門的な知識を必要とするケースも多く、手間と時間がかかることで従業員の不満が募ったり、人的ミスが発生しやすくなったりするためです。

最近は、業務の一部を外部に委託する企業も増えています。経費とリスクの両方の観点から考えると、社宅代行会社に委託するのも選択肢の1つと言えるでしょう。

社宅代行会社に委託する

社宅代行サービスとは、社宅管理業務の全般を代行してくれるサービスです。社宅管理業務と一口に言っても、以下のように多くの業務を行わなくてはなりません。

  • 物件探し
  • 賃貸契約の締結
  • 家賃送金
  • 更新契約の締結
  • 解約精算業務
  • 支払調書の作成
  • 従業員からの問い合わせ対応

自社管理の場合には、上記の業務をすべて社内で行わなければなりませんが、社宅代行会社に委託すればこれらの業務を代行してくれるため、従業員の負担軽減やコスト削減の効果が期待できます。

しかし、社宅代行会社には報酬を支払う必要があることから、管理戸数によってはあまりコスト削減の効果が期待できない可能性があります。社宅代行会社に委託する際は、どのような業務を代行してくれるのか、コスト削減の効果はどのくらいなのかをしっかり確認してから委託しましょう。

自社に合った社宅代行会社の選び方はこちらの記事で紹介しています。
>>社宅管理業務が大幅軽減される「社宅代行サービス」の選び方

社宅代行会社に委託できる業務は

社宅代行会社によって、委託できる業務内容が異なります。そのため、どのような業務を委託できるのか、事前に確認しておくことが大切です。社宅代行会社に委託できる主な業務は、以下の通りです。

  • 物件の手配
  • 新規契約の手続き
  • 家賃や更新料などの支払業務
  • 更新の手続き
  • 帳票作成

例えば、社宅管理業務を提供しているLIXILリアルティは、全国約2,500店舗の提携不動産会社ネットワークを構築しており、豊富な物件のなかから選択できます。

また、社宅業務を一元化し、高品質で豊富なサービスをリーズナブルに提供しており、社宅業務の大幅なコストダウンと大幅な業務削減(約8割削減)を可能としています。

社宅代行サービスが行う社宅管理業務の詳しい内容についてはこちらの記事で紹介しています。
>>社宅管理業務が大幅軽減される「社宅代行サービス」の選び方

まとめ

社宅制度を福利厚生の一環として導入すれば、従業員は住居費用の負担を軽減できるほか、家賃は給与からの天引きとなるので、所得税の節税効果も期待できます。

また、会社は負担した従業員の住居費用を経費として計上することによる節税効果が期待できるほか、住宅手当とは違い、社会保険料の負担を増加させることなく福利厚生を充実させることで、新規雇用の拡大も期待できます。

魅力的な社宅制度の導入ですが、家賃設定はいくらでも良いというわけではありません。社宅制度を導入するメリットを最大限に活かすためにも、適切な家賃設定をすることが大切です。

家賃設定は周辺相場の半額以下が目安とされていますが、会社の状況によって適切な家賃設定は異なるため、自社の状況に合わせた家賃設定を心がけ、会社にとっても従業員によってもより良い社宅運営をしていきましょう。

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