はじめに
社宅を利用している従業員や、企業の社宅担当者のなかには、「防犯性に問題はないか」と不安を感じている場合もあるかもしれません。社宅は従業員にとって大切な生活拠点であり、快適な住環境の提供は企業の重要な役割のひとつです。しかし、なかには防犯対策が不十分な社宅もあり、場合によっては空き巣や不審者の侵入によって入居者の安全が脅かされる可能性があります。
今回は、社宅における防犯対策の必要性に触れながら、防犯対策として有効な設備8選をご紹介します。また、社宅の防犯設備が不十分な場合に入居者ができる対策と、社宅の防犯性向上に向けて企業担当者が行うべきことも詳しくまとめました。
社宅のセキュリティ対策やプライバシー保護を強化したい方は、ぜひ参考にしてください。
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社宅における防犯対策の必要性
社宅は従業員が生活の拠点とする場所であるため、防犯対策によって安心して暮らせる環境を整えることが必要不可欠です。また、防犯対策がしっかりと施された社宅を提供することで「福利厚生の充実した企業」として評価され、優秀な人材の確保にもつながる可能性があるなど、企業のイメージ向上にもつながります。
なかには入社前に社宅の詳細をチェックし、「社宅の防犯性が充実しているか」を重視して入社するかどうかを決めるケースも少なくありません。そのため、近年では防犯性の高い社宅を導入したり、独自に防犯対策を講じたりする企業が増えてきています。
防犯対策に有効!社宅にあると安心の設備8選
ここでは、社宅の防犯対策として有効な設備を8つ紹介します。自社が提供する社宅の防犯性について見極めるために、ぜひチェックしてみてください。
1. オートロック機能のある共用エントランス
マンションなどの共用エントランスにオートロックが設けられていると、不審者等の出入りを防ぎ、安全性の高い住環境を実現しやすくなります。一般的には入居者が持つ鍵やカード、あるいは暗証番号を使って解錠するケースが多いほか、近年はスマートフォンを使って解錠できるシステムも普及しつつある印象です。
オートロック機能が備わっていれば、建物内にいるのは基本的に入居者のみとなるため、大きな安心感につながるでしょう。
2. テレビモニター付きインターホン
共用エントランスと各住戸の双方に、訪問者を映像で確認できるテレビモニター付きインターホンがあると安心です。インターホンを押した人の映像が室内のモニターに映し出されるため、入居者はドアを開ける前に相手を確認できます。
特に、勧誘や不審者への対応を慎重に行うことができるため、セキュリティ面での安心感が大きく向上します。
3. 防犯カメラ
建物の入口や共用部分に防犯カメラが設置されていると、不審者の侵入を防ぎやすくなります。具体的な設置場所としてはエレベーターや階段付近、各階の通路など、人目が届きにくい場所を選ぶとよいでしょう。
カメラが設置されていると不審者が侵入をためらうケースが多く、社宅全体の安全性が向上します。また、万が一トラブルが発生した場合に、録画映像を証拠として活用できることも導入のメリットです。
4. 防犯ガラス
社宅の防犯設備として、防犯ガラスも有効です。警察庁が公表しているデータによると、共同住宅における侵入窃盗の手口として最も多いのは「無施錠の家への侵入」ですが、窓ガラスの一部を破壊して解錠する「ガラス破り」によって侵入される件数も多くみられます。
【令和5年における窃盗の侵入手口データ(上位3手口)】
共同住宅(3階建以下) | 共同住宅(4階建以上) | |
---|---|---|
無締り | 1,602件(49.9%) | 697件(41.6%) |
ガラス破り | 594件(18.5%) | 171件(10.2%) |
合い鍵 | 432件(13.5%) | 338件(20.2%) |
上表のとおり、共同住宅ではガラス破りによって侵入窃盗の被害に遭うケースも一定数あるため、窓に防犯ガラスを導入することは効果的な防犯対策といえるでしょう。なお、防犯性能に優れた防犯ガラスとしては主に以下の2種類が挙げられます。
防犯ガラスの種類 | 特徴 |
---|---|
合わせガラス | 2枚以上のガラスを樹脂中間膜で接着したもの |
合わせペアガラス | 複層ガラスの片面あるいは両面に、合わせガラスを使用したもの |
上記の防犯ガラスの中でも、樹脂中間膜を厚くしたり、ポリカーボネート板を挟んだりしたものはさらに防犯性能が高いです。自社の社宅物件を選定する際は、「どのような防犯ガラスが設置されているのか」にも注目すると、防犯性の高さを判断しやすくなるでしょう。
5. 窓の補助錠
補助錠とは、窓やドアにもともと備え付けられている錠とは別に、追加で取り付ける錠のことです。補助錠が取り付けられていると侵入時に多くの時間を要するため、窓からの侵入を効果的に防げます。
窓用の補助錠にはさまざまな種類がありますが、サッシに取り付けるタイプの補助錠は手軽に設置でき、窓のタイプを問わず導入しやすいメリットがあります。取り付け方法もテープで固定したり、窓枠に差し込んだりと多種多様ですが、防犯性の高さを重視するなら鍵がないと開錠できない鍵付きタイプがおすすめです。
6. 浴室乾燥機能
浴室乾燥機能も、社宅の防犯対策として有効な設備のひとつです。洗濯物を屋外に干さずに済むため、住人の生活スタイルを外部に知られにくくするメリットがあります。特に、女性ものの衣類を外に干すことで「この部屋には女性が住んでいる」と認識されるリスクがあるため、女性の一人暮らしの場合は浴室乾燥機能が大変重宝するでしょう。
また、夜間などに洗濯物を干しっぱなしにしていることで、留守宅であると気付かれてしまうケースも。浴室乾燥機能を活用すれば、こうしたリスクを効果的に軽減できます。
7. 宅配ボックス
宅配ボックスがあると、業者と顔を合わせることなく荷物を受け取れるため、特に一人暮らしの女性にとって安心感がある設備です。昨今は宅配業者を装った不審者による犯罪も多く発生しているため、防犯面で大きなメリットが見込まれます。
また、宅配ボックスが解錠番号やカードキーを使って荷物を受け取る仕組みであることも、防犯対策として有効な理由です。たとえば指定した場所に荷物を置いてもらう「置き配」のサービスを利用する際も、宅配ボックスがあれば第三者に荷物が盗まれる心配はありません。
8. ディンプルキーやダブルロックのドア
ディンプルキーやダブルロックのドアも、防犯設備として近年多く取り入れられています。ディンプルキーとは鍵山の代わりに複数のディンプル(くぼみ)が施されたタイプの鍵のことで、ピッキングが難しく、高い防犯性能を誇ります。
また、ダブルロックのドアは、2つの鍵を設置することで不審者の侵入を防ぐ仕組みになっています。警察庁のデータによると、侵入犯罪では、開錠に5分以上かかると約7割の侵入者が諦め、10分以上かかるとほとんどが諦めるとされており、防犯対策として非常に有効です。
社宅の防犯設備が不十分な場合に入居者ができる対策
続いては、現在住んでいる社宅の防犯設備が不十分な場合に、入居者個人が実施できる対策を4つご紹介します。防犯性の高い住まいの確保に向けて、ぜひ参考にしてみてください。
1. 防犯に役立つグッズやスマートデバイスを導入する
自宅の防犯を強化するためには、ドア・窓に取り付けるタイプの防犯アラームや、スマートデバイスを個人的に導入する対策が有効です。たとえば窓に取り付ける防犯アラームの場合、ガラスが叩かれた際に音が出る「衝撃検知型」や、窓が開けられた際に音が出る「開放検知型」などの種類があります。
一方、スマートデバイスとしては外出中もスマートフォンで監視できる「スマートカメラ」や、スマートフォンで解錠・施錠が可能な電子錠の「スマートロック」、外出中でもアプリで訪問者を確認できる「スマートインターホン」などがおすすめです。これらのデバイスを複数組み合わせて導入することで、より高い防犯性を整備できるでしょう。
2. 防犯アプリを活用する
スマートフォンに防犯アプリをインストールしておき、不審な状況を察知したらすぐに通報できるようにしておくことも非常に有効な防犯対策です。たとえば警視庁の防犯アプリ「デジポリス」の場合、身の危険を感じた際にブザーを鳴らせる「防犯ブザー機能」や、事前の登録者に位置情報などを送れる「ココ通知機能」などが備わっており、安心感を持って生活できます。
3. 施錠を徹底する
ドアや窓の施錠を常に確認し、不在時や就寝時には必ず施錠するように心がけることも重要です。小さな窓や格子窓であっても、施錠していないと侵入されるリスクがあるため注意しましょう。
なかには、近所への買い出しやゴミ出しなどで短い時間のみ外出する場合に「ちょっとそこまでだから大丈夫」と戸締りをしないケースもみられますが、一瞬の隙を狙われて空き巣などの被害に遭う恐れがあります。どんな時でも施錠をする癖をつけておくことは防犯対策における基本と認識し、施錠を忘れないようにしましょう。
4. 防犯設備の改善を提案する
すでに居住している社宅の防犯設備について不安点がある場合は、その改善について社宅担当者に提案してみるのも一手です。たとえば防犯カメラの設置などを提案することで、社宅担当者がオーナーや管理会社に相談してくれる可能性があります。
オーナーや管理会社側には、入居者が安心して居住できる物件を提供する責任があるため、住民の要望・意見を真摯に受け止めて改善を図ってくれるかもしれません。
社宅の防犯性向上に向けて企業担当者が行うべきこと
ここでは、社宅の防犯面が不十分な場合に企業担当者が行うべきことを3つご紹介します。自社の従業員が安全に過ごせる社宅物件を提供するために、ぜひ参考にしてください。
1. 入居者のニーズを把握する
まずは入居者から不安や希望を聞き、どのような防犯対策が求められているかを把握することが大切です。ニーズを探る方法はさまざまですが、入居者を対象にアンケート調査を実施すると実情を理解しやすいでしょう。
アンケートを取る際は、事前に選択肢を用意しておく「選択形式」にすることで回答者の負担が減り、回答率が高まります。また、自由に記述できる欄も設けておくと、具体的な要望がある入居者が意見しやすくなるのでおすすめです。
2. 企業としてできる防犯対策を講じる
社宅の契約内容を考慮したうえで、設置可能な防犯設備を導入する対策も有効です。オーナーや管理会社の承諾を得られれば、より防犯性の高い錠と鍵に交換したり、防犯カメラを設置したりできる可能性があります。
また、防犯セミナーを定期的に実施し、入居者の防犯意識の向上を目指すことも不可欠です。身辺防犯や施設防犯についての知識を身に付けられる企業向けのセミナーも多数あるので、必要に応じて受講を検討するとよいでしょう。
なお、社宅の防犯対策について積極的に取り組むことは、企業の社会的な評価を高めることにもつながります。万が一、従業員が入居する社宅で盗難被害などが発生すると、企業側が責任を問われる可能性もあるため、そういったリスクを回避する意味でも社宅の防犯対策に注力することは重要です。
3. 防犯性の高い社宅への契約変更を行う
ここまでさまざまな防犯対策をご紹介してきましたが、入居者自身や企業が講じられる防犯対策には限度があります。そのため、防犯設備が不十分な場合は、より防犯性の高い社宅物件への契約変更を行うのもひとつの方法です。
防犯性の高い社宅物件を見極めるポイントとして、まずは先述のオートロック機能や防犯カメラ、宅配ボックスなどの防犯設備が備わっているか注目することをおすすめします。また、低層階の部屋はベランダから空き巣に侵入されるケースもあるため、なるべく3階以上の部屋を選ぶとよいでしょう。
防犯性の高い社宅をスムーズに見極めたい方へ
ここまで解説したように、一口に防犯対策といっても具体的な設備や対策方法はさまざまです。また、防犯性の高い社宅への切り替えを検討するとしても、「どのように物件を選んだらいいのかわからない」とお困りの場合もあるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、社宅代行サービスの活用です。以下では、社宅代行サービスの特徴やメリットについて詳しく見ていきましょう。
社宅代行サービスとは
社宅代行サービスとは、企業の社宅担当者が担う一連の社宅管理業務を、外部の専門業者に委託できるサービスのことです。このサービスを利用すれば、防犯性の高い社宅の物件探しはもちろん、契約・解約や支払い管理なども任せられ、総務や人事の社宅担当者の業務負担を大幅に減らせるメリットがあります。
社宅代行サービスの利用にあたってはコストが発生しますが、自社の社宅業務を削減できることを考慮すると、一概にコスト負担がデメリットとはいえません。むしろ、社宅業務の代行によって社宅担当者の業務リソースに余裕が生まれて本来のコア業務に注力できるようになり、業務効率化を図れる魅力があります。
社宅代行サービスの特徴や選び方については別の記事でもご紹介しています。詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
>>社宅代行サービスとは?メリット・デメリットや選び方を解説
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社宅代行サービスを利用する際は、借り上げ社宅の代行経験が豊富な業者を選ぶことが重要です。実績が豊富な社宅代行サービスに相談することで、入居者のニーズに合った防犯性の高い社宅を見つけられる可能性が高まります。
LIXILリアルティでは、借り上げ社宅管理の業務負担・コストを削減する社宅代行サービスをご提供しています。社宅の新規契約時においては、全国の連携不動産会社からの物件情報をもとに、それぞれの企業様のニーズにマッチした社宅選定のアドバイスが可能です。
社宅の導入を検討している、あるいは社宅の見直しを図りたい担当者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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まとめ
社宅の防犯対策として、オートロック機能のある共用エントランスや防犯カメラ、ダブルロックのドアなどが備わっていると大変安心です。もし防犯性に不安がある場合は入居者自身、あるいは企業担当者が防犯対策を講じる必要がありますが、企業側の責任として防犯性の高い社宅への契約変更を行うのも得策といえるでしょう。
防犯性の高い社宅物件探しや契約をスムーズに進め、自社の社宅担当者の負担を減らしたいという方は、ぜひLIXILリアルティの社宅代行サービスをご活用ください。企業様のニーズに合わせた最適なプランをご提案できるほか、一戸単位での管理にもご対応可能です。
ぜひ今回ご紹介した内容を参考に社宅の防犯性を見直し、従業員が安心して暮らせる環境の整備を目指してはいかがでしょうか。