福利厚生費の計上方法を解説!仕訳の注意点から勘定科目を細かくご紹介

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福利厚生費の計上方法を解説!
仕訳の注意点から勘定科目を細かくご紹介

はじめに

福利厚生の導入を検討している、既に導入している企業の担当者の中には、福利厚生の勘定科目・仕訳方法が分からずに悩んでいる方も多いと思います。勘定科目・仕訳方法に誤りがあった場合、税務署から指摘される可能性があるので注意が必要です。

この記事では、福利厚生費とは何か、福利厚生費の種類、福利厚生費として認められている費用と上限などを解説します。福利厚生の勘定科目・仕訳方法が分からない方は、ぜひご参照ください。

福利厚生費とは

福利厚生費とは

福利厚生費とは、福利厚生にかかる費用のことです。従業員の福利厚生を目的として利用される施設や制度に対して生じる経費科目です。福利厚生とは、従業員に提供される給与以外の報酬やサービスのことで、業務に直接関連しません。

少子高齢化によって労働人口が減少している昨今は、従業員を確保することが困難になっています。従業員の確保、離職を防止するために、他の企業との差別化を図る目的で福利厚生を充実させる企業が増えています。

交際費との違い

交際費とは、法人がその得意先、仕入れ先、その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する経費科目です。福利厚生費は自社に対する支出であるのに対し、交際費は事業にかかわる他社に対する支出という点で異なります。

消耗品費との違い

消耗品費とは、定期的に使われて消耗されるものへの支出で、業務にかかわる消耗品に対する会費科目です。福利厚生費は自社に対する支出であるものの、業務に直接関連していません。一方、消耗品費は自社に対する支出であり、業務に直接関連しているという点で異なります。

2つの福利厚生費

2つの福利厚生費

福利厚生費の勘定科目・仕訳方法についての理解を深めるためには、福利厚生費にどのような種類があるのか把握することが大切です。福利厚生費は大きく以下の2つに分けられます。

  • 法定福利費
  • 法定外福利費

1.法定福利費

法定福利費とは、法律で規定が明確に定められている福利厚生に関する費用です。具体的には、以下のような費用が法定福利費に該当します。

  • 社会保険:健康保険、厚生年金保険、介護保険
  • 労働保険:労災保険、雇用保険

一定以上の規模の企業は、従業員が支払う社会保険や労働保険などの金額の一部を負担します。この負担金を法定福利費として経費計上します。ほとんどの保険は会社と従業員が折半しますが、労災保険だけは企業側の全額負担です。

2.法定外福利費

法定外福利費とは、法定福利費以外の福利厚生費です。具体的には、以下のような費用が法定外福利費として扱われます。

  • 社宅
  • 食事補助
  • 交通費
  • 出張手当
  • 慶弔見舞金
  • 社内行事
  • 社員旅行
  • 健康診断

法定福利費は、法律に規定が定められているので、規定に基づいて経費計上すれば問題ありません。しかし、法定外福利費は企業によって負担する金額が異なり、どこまで経費計上できるかは判断が難しいです。過度に経費計上して税務署から指摘されないように注意してください。

福利厚生費を経費として計上するための要件

福利厚生費を経費として計上するための要件

従業員に提供される給与以外の報酬やサービスであれば何でも法定外福利費として経費に計上できるわけではありません。

法定福利費は法律に定められているので、どのような費用を計上できるか明確です。しかし、法定外福利費は明確な定めがありません。法定外福利費として認められるには、以下の3つの要件を満たす必要があります。

  • 全ての従業員が利用できる
  • サービスとして金額が常識の範囲内である
  • 換金性が低い(現金支給ではない)

法定外福利費として認められるためには、全ての従業員に平等、福利厚生費の金額が妥当であるという条件を満たさなくてはなりません。また、換金性が高いと現金化する従業員も現れるため、換金性が低いかどうかも判断基準と言えるでしょう。

福利厚生費が課税・非課税になるケース

福利厚生費が課税・非課税になるケース

福利厚生費が課税対象なのか気になっている方も多いと思います。結論から言うと、福利厚生費は課税されるケースと非課税のケースに分かれます。どのようなケースで課税されて、どのようなケースでは非課税なのか詳しく見ていきましょう。

課税になるケース

福利厚生費は基本的に非課税ですが、以下のようなケースでは課税対象となります。

  • 用途が福利厚生だけではない
  • 福利厚生の対象が限定されている
  • 決められた上限を超えている
  • 金銭で支給している

例えば、正社員のみが利用できて、アルバイトやパートなどが利用できない福利厚生は公平ではありません。福利厚生を利用できる対象者が限定されているケースでは、福利厚生費が課税対象になります。

非課税になるケース

以下の条件を満たす福利厚生費(法定福利費・法定外福利費)は、基本的に非課税として扱われます。

  • 全ての従業員が利用できる
  • サービスとして金額が常識の範囲内である
  • 換金性が低い(現金支給ではない)

例えば、従業員の健康増進の観点から、全従業員がスポーツクラブを使えるように会費を会社が全額もしくは一部を負担した場合は、法定外福利費として認められて非課税として扱われます。

福利厚生費として認められている費用とその上限

福利厚生費として認められている費用とその上限

従業員に提供される給与以外の報酬やサービスであれば何でも法定外福利費として認められるわけではなく、認められる費用は限られています。また、上限を超えると課税対象となるため、どのような費用が認められて上限がいくらなのか把握しておくことが大切です。

福利厚生費として認められる主な費用は以下の通りです。

  • 社宅
  • 食事補助
  • 交通費
  • 出張手当
  • 慶弔見舞金
  • 社内行事(忘年会・新年会など)
  • 社員旅行
  • 健康診断

社宅

社宅とは、会社が賃貸物件の借主となり、従業員に貸し出す仕組みです。従業員から賃貸料相当額という一定の家賃を受け取っていなければ、給与として課税されるので注意しましょう。

賃貸料相当額とは、実際の家賃ではなく、以下の規定で算出された合計金額です。

  • (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
  • 12円×(その建物の総床面積(㎡)/3.3(㎡))
  • (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22

参照:国税庁「No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき

ただし、従業員から賃貸料相当額より低い家賃を受け取った場合でも、賃貸料相当額の50%以上であれば、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額は、給与として課税されません。

例えば、賃貸料相当額を5万円とするケースで、賃貸料相当額の50%以上である3万円を従業員が負担した場合、差額の2万円は課税されません。

社宅を福利厚生費として計上するポイントについては別の記事で詳しく紹介しています。
>>社宅を福利厚生費として計上できる条件とは?仕訳や相場について解説

食事補助

従業員の食事に対する補助についても、以下の条件を全て満たしている場合には福利厚生費として計上できる可能性があります。

  • 従業員が50%以上の食事代を負担している
  • 会社側の負担が一人あたり月額3,500円以下(税抜)である

深夜勤務者の場合は、1食あたり300円(税抜)まで福利厚生費として認められるといった要件もあります。

交通費

従業員が通勤する際にかかる交通費を交通費として支給する場合、以下の範囲内であれば従業員側に所得税を課されずに通勤手当を交通費として計上できます。

交通手段 所得税が非課税となる1ヶ月あたりの上限額
交通機関または有料道路 150,000円
自動車または自転車 通勤距離が片道55km以上 31,600円
通勤距離が片道45km以上55km未満 28,000円
通勤距離が片道35km以上45km未満 24,400円
通勤距離が片道25km以上35km未満 18,700円
通勤距離が片道15km以上25km未満 12,900円
通勤距離が片道10km以上15km未満 7,100円
通勤距離が片道2km以上10km未満 4,200円

片道2km未満の従業員に交通費を支給した場合は、所得税の課税対象となるので注意してください。

出張手当

出張手当とは、出張の際に発生する宿泊費や交通費以外の食事代や電話代、取引先や職場へのお土産代などを補助する費用です。出張の目的や期間、相手先、出張者の地位などによって支給額が変化します。

従業員に対して支給した出張手当については、その旅行について通常必要であると認められる部分については経費に計上できます。ただし、過度に出張手当を支給した場合は所得税の課税対象となる可能性があるので注意してください。

慶弔見舞金

慶弔見舞金とは、会社が従業員またはその家族の慶弔事に対して支給する祝い金や見舞金などです。これらの慶弔見舞金も以下の要件を全て満たした場合に限り福利厚生費として経費計上できる可能性があります。

  • 全ての従業員が支給の対象である
  • 一般的な金額である

慶弔見舞金の相場は1~3万円と言われています。そのため、上限3万円を想定しておくと良いでしょう。

社内行事(忘年会・新年会など)

忘年会や新年会などの社内行事にかかった費用も以下のような一定要件を満たしていれば、福利厚生費として経費に計上することが可能です。

  • 全従業員を対象とする社内行事である
  • 企業の負担額が一律である
  • 一般的な金額である

社会通念上、常識の範囲を超える金額と判断された場合は、課税対象となるので注意してください。

社員旅行

社員旅行にかかった費用も以下のような一定要件を満たしていれば、福利厚生費として経費に計上することが可能です。

  • 全従業員を対象とする社員旅行である
  • 旅行期間が4泊5日以内かつ全従業員の50%以上が参加する社員旅行である
  • 一般的な金額である

自己都合で社員旅行に参加しなかった従業員に金銭を支給した場合は、その金銭は給与支給と見なされます。所得税の課税対象となるので注意してください。

健康診断

従業員の健康増進を目的とした健康診断や人間ドックの受診費用も以下のような一定要件を満たしていれば、福利厚生費として経費に計上することが可能です。

  • 全従業員を対象としている
  • 一般的な金額である

一部の従業員のみが利用できるもの、受診費用があまりにも高額だった場合は、福利厚生費としてではなく、給与として扱われて課税される可能性があるので注意が必要です。

福利厚生費の勘定科目と計上方法の注意点

福利厚生費の勘定科目と計上方法の注意点

福利厚生費を経費として計上する際は、正しい勘定科目で計上する必要があります。また、計上方法を誤ると税務署から指摘される恐れがあるので、計上方法の注意点をしっかり押さえておくことも大切です。

勘定科目

福利厚生費の勘定科目は福利厚生費ではありません。会社が提供する福利厚生の内容ごとに法定福利費または法定外福利費に分類して計上します。

法定福利費は、法律で規定が明確に定められている福利厚生に関する費用で、健康保険や厚生年金保険などの社会保険、労災保険や雇用保険などの厚生年労働保険が該当します。法定外福利費は、法定福利費以外の福利厚生費で、社宅や食事補助、交通費、出張費などが該当します。

勘定科目を間違わないように、どちらに該当するのかしっかり理解しておきましょう。

計上方法の注意点

福利厚生を導入して経費として計上することになった場合、注意する必要があるのが企業会計規則の継続性の原則です。

継続性の原則とは、企業会計において、その処理の原則および手続きを毎月継続して適用し、みだりにこれを変更してはならないというものです。

つまり、一度採用した会計処理の原則や手続き方法は毎期継続しなくてはならないというものです。企業では会計の担当者が変わることも少なくありません。計上方法が変わると継続性の原則に反することになるため、引き継ぎでトラブルが生じないように社内のルールを明確にしておきましょう。

福利厚生で社宅を選ぶなら社宅代行サービスがおすすめ

福利厚生で社宅を選ぶなら社宅代行サービスがおすすめ

福利厚生の一環として社宅の導入を検討している企業には、社宅代行サービスをおすすめします。社宅を福利厚生として導入する場合、物件探し、入居・更新・退去手続き、家賃支払い、経理処理、入居中のトラブル対応などのように、社宅担当者は多くの業務を行わなくてはなりません。

社宅代行サービスであれば、これらの業務を代わりに行ってくれるため、業務負担を軽減できます。専門家がサポートしてくれるので、社宅導入に伴うリスクを軽減できる点も社宅代行サービスの強みです。

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まとめ

労働人口が減少する昨今、福利厚生を充実させて従業員を確保、離職の回避を目指す企業が増加しています。福利厚生を導入した場合、福利厚生費を経費として計上できますが、勘定科目は福利厚生費ではありません。福利厚生の内容に応じて法定福利費または法定外福利費として計上します。

勘定科目や計上方法を誤ると、税務署から指摘される恐れがあるので、福利厚生を経費として計上する場合の正しい勘定科目と仕訳方法についての理解を深めましょう。

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